2025.06.04

セラミックフロアコーティングは、フローリングの美観と耐久性を長期間維持するための高性能な施工方法です。本記事では、セラミックフロアコーティングの特徴、メリット・デメリット、費用相場、そして施工事例までを詳しく解説します。新築やリフォームを検討中の方、ペットや小さなお子様がいるご家庭、長期的なメンテナンスの手間を減らしたい方にとって、最適な選択肢となるでしょう。
フロアコーティングとは?まず知っておきたい基礎知識
フロアコーティングは、フローリングの表面に特殊な塗膜を施し、傷や汚れ、紫外線などから床材を保護する施工方法です。これにより、床の美観を長期間維持し、日常の掃除やメンテナンスの手間を軽減することができます。フロアコーティングにはさまざまな種類があり、それぞれ特徴や価格帯が異なります。
フロアコーティングの目的
フロアコーティングは、床の表面に特殊なコーティング剤を施すことで、美しさと耐久性を高め、長く快適な住環境を維持するための施工方法です。見た目の美観だけでなく、日々の生活の中で床材を保護し、掃除やメンテナンスの負担を軽減するという実用面でも多くのメリットがあります。主な目的は以下のとおりです。
床材の保護:傷や汚れ、紫外線による日焼けや劣化から床を守ります。
美観の維持:ツヤや光沢感を加えることで、新築のような美しい床を長く保てます。
メンテナンスの軽減:汚れが付きにくくなり、日常の掃除や拭き掃除が格段にラクになります。
フロアコーティングの主な種類
コーティングの種類 | 特徴 | 価格相場(1㎡あたり) |
---|---|---|
UVコーティング | 即時硬化・高耐久・高光沢でメンテナンス性に優れる | 約5,000~10,000円 |
シリコンコーティング | 滑り止め効果が高く、クッション性もありペットや子どもに優しい | 約3,000~5,000円 |
ガラスコーティング | 自然なツヤ感で落ち着いた仕上がり、傷・摩耗に強い | 約4,000~8,000円 |
セラミックフロアコーティングとは?

セラミックフロアコーティングは、セラミック成分を含む特殊なコーティング剤を使用し、フローリングの表面に高硬度の塗膜を形成する施工方法です。これにより、耐久性や耐摩耗性、耐熱性に優れた床面を実現します。
セラミックフロアコーティングの特徴
高硬度: 鉛筆硬度9H以上の硬さで、傷や摩耗に強い。
耐熱性: 高温にも耐え、床暖房にも対応。
耐薬品性: アルコールや洗剤にも強く、変色しにくい。
抗菌・防カビ効果: 衛生的な環境を維持。
他のコーティングとの違い
セラミックフロアコーティングは、UV・ガラス・シリコンといった他のフロアコーティングと比較して、性能面や仕上がりの選択肢において高い自由度と耐久性を兼ね備えています。以下の比較表では、各コーティングの硬度、光沢、耐久年数、耐薬品性、価格帯を一覧で比較できるようにまとめました。
これにより、自分のライフスタイルや目的に合ったコーティングを選びやすくなります。とくにセラミックは高い性能を求める方にとって理想的な選択肢です。
項目 | セラミックコーティング | UVコーティング | ガラスコーティング | シリコンコーティング |
---|---|---|---|---|
硬度 | 非常に高い(9H以上) | 高い(6H以上) | 高い(8H) | 中程度(2H~4H) |
光沢 | 微光沢~高光沢まで選択可能 | 高光沢 | 微光沢 | やや高光沢 |
耐久年数 | 30年以上 | 20~25年 | 20~25年 | 10~20年 |
耐薬品性 | 非常に強い | 強い | 普通 | 普通 |
価格帯 | 約8,000~10,000円/㎡ | 約5,000~10,000円/㎡ | 約4,000~8,000円/㎡ | 約3,000~5,000円/㎡ |
セラミックフロアコーティングのメリット

セラミックフロアコーティングは、一般的なコーティングに比べて性能面で非常に優れており、長期間にわたって美しさと機能性を維持できる点が魅力です。ここでは、その代表的なメリットについて詳しくご紹介します。
傷や汚れから床を守る
セラミックコーティングは、フロアコーティングの中でも最高クラスの硬度(9H以上)を誇り、家具の移動時や物の落下によって生じる擦り傷・へこみから床をしっかりと守ります。また、表面が非常に強固なため、土砂やペットの爪によるダメージも最小限に抑えることができます。家族のライフスタイルに左右されず、床を美しい状態に保てるのが大きな特長です。
掃除やメンテナンスが楽になる
セラミックコーティングは撥水・撥油性に優れており、水や油分が床に染み込むのを防ぎます。汚れが付きにくく、ホコリも滑り落ちやすいため、日常のお掃除が非常に簡単になります。さらに、耐薬品性にも優れているため、アルコール除菌スプレーや中性洗剤を使った拭き掃除でもコーティングにダメージを与える心配がありません。小さなお子様やペットがいる家庭でも衛生的な環境を維持できます。
美しい光沢が長期間続
セラミックコーティングは、施工時に好みに応じて「高光沢」「微光沢」など光沢の種類を選べるのが魅力です。いずれのタイプも耐摩耗性に優れており、経年によるツヤの劣化が少なく、美しい床面を長期間キープできます。まるで新築のような輝きを保ち続けたい方には特におすすめです。
紫外線による劣化を防げる
紫外線(UV)は、床材の変色や表面劣化の大きな原因となります。セラミックコーティングは、UVカット性能を備えており、日光の差し込むリビングや窓際のフローリングでも、色褪せや反りを防ぐ効果が期待できます。これにより、床材そのものの寿命が延び、長期的なメンテナンスコストの削減にもつながります。
セラミックフロアコーティングのデメリット
セラミックフロアコーティングは非常に優れた性能を持つ一方で、いくつかの注意点も存在します。導入前にその特徴を正しく理解し、ライフスタイルや予算と照らし合わせて選択することが大切です。
初期費用が高い
セラミックコーティングは、他のコーティングと比べて施工単価が高めに設定されており、初期費用の負担が大きい点がデメリットです。ただし、長期間の耐久性やメンテナンスの手間が省けることを考慮すれば、結果的にコストパフォーマンスは良好といえるでしょう。
一度施工すると剝がすのが大変
セラミックコーティングは非常に硬く、強力に床に密着するため、剥離が難しいという特徴があります。施工後に仕様変更や再施工が必要となった場合、時間と費用が大きくかかる可能性があるため、導入前にじっくりと検討することが重要です。
セラミックフロアコーティングが向いている人

セラミックフロアコーティングは高い性能を備えており、特に以下のようなニーズを持つ方におすすめです。
小さな子どもやペットがいる家庭

滑りにくく傷が付きにくい特性を持つため、赤ちゃんのハイハイ期やペットの足腰への負担軽減にもつながります。清潔さを保ちやすい点も家庭環境には好相性です。
新築に入居前の人
家具や家電が搬入される前に施工することで、傷や汚れから床を守り、最初の状態を長く維持できます。美しい状態のまま長く住み続けたい方にぴったりです。
長期的にメンテナンスをラクにしたい人

一度の施工で長期間にわたってメンテナンス不要なため、こまめなワックスがけやクリーニングの手間を省きたい方には理想的です。
見た目の美しさや高級感にもこだわりたい人
セラミック特有の高い光沢が、フローリングをより上質に見せてくれます。高級感のあるインテリアを求める方には相性が抜群です。
セラミックフロアコーティングが向いていない人
セラミックコーティングは万能ではありません。以下のような条件に当てはまる方は、別のコーティング材のほうが適している場合があります。
初期費用をできるだけ抑えたい人
施工コストが高いため、予算に制限がある場合はシリコンやガラスコーティングなど、より価格を抑えられる種類を検討しましょう。
短期間に引越し・住み替え予定の人
10年以上の耐久性があるセラミックコーティングは、長期的な居住を前提にしています。短期間で住み替える予定がある場合は、費用対効果が見合わない可能性があります。
床にツヤを出したくない人
セラミックコーティングは光沢のある仕上がりが基本です。マットな質感や自然な風合いを好む方には、ガラス系マット仕上げのコーティングなど別の選択肢をおすすめします。
セラミックフロアコーティングの費用相場

セラミックフロアコーティングの費用は、施工面積や業者によって異なりますが、一般的には1㎡あたり6,000円~12,000円程度が相場です。例えば、75㎡の施工で約45万円~90万円程度となります。詳細な見積もりは、複数の業者から取得し、比較検討することをおすすめします。
フロアコーティング業者選びで失敗しないためのポイント
フロアコーティングの施工品質は、業者の技術力や対応によって大きく左右されます。以下のポイントを参考に、信頼できる業者を選びましょう。
対応エリアはどこか
まず確認すべきなのは、自宅の地域が施工対応エリアに含まれているかどうかです。遠方になると、出張費がかかる場合や、対応自体が断られることもあるため、事前のチェックが重要です。
・ホームページに明記されている対応エリアを確認
・都道府県単位だけでなく市区町村レベルで対応可否を見る
・対応エリア外でも追加料金で対応してくれるケースもあり
フロアコーティングの専門業者かどうか
業者によってはリフォーム全般を手掛けていたり、別の業務の片手間でフロアコーティングを行っていることもあります。フロアコーティング専門業者であれば、知識や技術が洗練されており、安心して任せることができます。
・施工方法やコーティング剤の知識が豊富
・複数の施工プランを比較提案してくれる
・質問に対して的確に答えてくれるかも判断ポイント
自社施工かどうか
外注業者ではなく、自社の職人が施工する「自社施工」の業者は、品質管理が行き届きやすく、余計な中間マージンが発生しないため、コストパフォーマンスに優れています。
・見積もりの金額と実際の施工内容にズレが少ない
・トラブル時の対応がスムーズ
・担当者と職人が連携しているため希望が伝わりやすい
フロアコーティングの実績が豊富か
施工実績は、業者の信頼性を測る大きな指標です。公式サイトで過去の事例写真や導入件数を確認したり、SNS・Googleマップの口コミを活用して実際の顧客評価を見ることが大切です。
・年間の施工件数や業歴をチェック
・自分の物件と似た施工事例があるかを確認
・ネガティブな口コミの内容も参考にして判断
保証やアフターフォローは充実しているか
信頼できる業者は、施工後のトラブルにも迅速かつ丁寧に対応します。例えば、「森のしずく」では、施工不良だけでなく、生活上で生じた傷に対しても30年間の無償補修を提供しています。
一方で、過度な無償保証を謳う業者には注意が必要です。「毎年1回の無償点検」などのサービスを提供する業者もありますが、これが過剰な営業手法である可能性も指摘されています。 保証内容やアフターフォローの詳細を事前に確認し、信頼できる業者を選ぶことが重要です。
価格は明瞭か
施工費用の明瞭さも、業者選びの重要なポイントです。例えば、「ベルカーサ」では、基本料金と1㎡あたりの価格が明確に提示されています。
また、「森のしずく」では、各種コーティングの価格が詳細に記載されており、追加料金の有無も明確にされています。 価格が明確であることは、予算管理や比較検討の際に大きなメリットとなります。
セラミックフロアコーティングの施工事例
実際の施工事例を確認することで、仕上がりのイメージや業者の技術力を把握できます。以下に、セラミックフロアコーティングの施工事例をいくつかご紹介します。
①千葉県柏市新築戸建て セラミック高光沢

②神奈川県綾瀬市新築戸建て セラミック高光沢

③千葉県浦安市新築戸建て セラミック微光沢

④神奈川県綾瀬市新築戸建て セラミック微光沢

まとめ
セラミックフロアコーティングは、耐久性や美観性に優れた床材保護の方法です。しかし、施工業者の選定を誤ると、期待した効果が得られない可能性もあります。保証やアフターフォローの充実度、価格の明瞭さを重視し、信頼できる業者を選ぶことが、満足のいく施工結果を得るための鍵となります。施工事例を確認し、自身のニーズに合った業者を選定することで、理想の住まいを実現しましょう。
著者情報

小澤賀宣
株式会社NKサービス
代表取締役
専門分野 | フロアコーティング・住宅オプション |
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プロフィール | 2000年22歳で住宅設備会社に入社し、その後、27歳で個人事業主として独立。フロアコーティングをはじめ、住宅の付加価値を高めるオプション施工を専門に20年以上職人として活動中。フロアコーティングにおいては、品質と技術へこだわり、お客様一人ひとりのニーズに応じた提案を行っている。 |
保有資格 | ・有機溶剤作業主任者 ・日本ハウスコーティング協会 コーティングマイスター |