2025.10.31

新築住宅を購入したとき、多くの人が悩むのが「フロアコーティングをするかどうか」。
SNSや口コミを見ると、「やってよかった!」という声がある一方で、「費用が高くてやめた」「必要性が分からなかった」という意見も見られます。実際のところ、新築でフロアコーティングを施工する人の割合はどれくらいなのでしょうか?
特に近年は、子育て世帯やペットと暮らす家庭を中心に施工率が高まっています。その理由は、「滑りにくく安全」「汚れや傷がつきにくい」「掃除が楽になる」といった、日常の快適さと安全性を両立できる点にあります。
この記事では、
・新築購入者のうち、どれくらいの割合でフロアコーティングをしているのか
・子育て・ペット家庭に選ばれる理由
・実際に施工した人/しなかった人の体験談
・失敗しない業者選びのポイント
を、最新データと実例をもとにわかりやすく解説します。
フロアコーティングをする人の割合はどのくらい?

新築住宅を購入した際、「フロアコーティングをするかどうか」で悩む方は少なくありません。SNSや住宅ブログを見ても、「施工してよかった」「結局やらなかった」など意見はさまざまです。では、実際にどれくらいの人がフロアコーティングをしているのでしょうか?まずはデータからその割合を見ていきましょう。
新築購入者の何割が施工しているのかデータで解説
新築住宅購入者のうち、フロアコーティングを実施する人の割合はおよそ2〜3割とされています。住宅関連メディア「リクルートSUUMO」の「新築購入者アンケート(2023年版)」によると、「入居前にフロアコーティングなどの追加工事を依頼した」と回答した人は 約28.4%。 (出典:リクルート『SUUMO注文住宅トレンド調査 2023』)
また、フロアコーティング専門業者「グッドライフ」社が実施した自社顧客調査(2024年3月)でも、「新築引き渡し前にフロアコーティングを施工した割合は全体の約32%」という結果が出ています。
(出典:グッドライフ 施工実績統計 2024年3月公表)
つまり、新築購入者の3人に1人程度が施工しているというのが現状です。
意外にも多くの家庭が、入居前の段階で床の保護対策を行っていることがわかります。
子育て世帯やペット家庭で施工率が高い理由
同調査によると、特に施工率が高いのは小さな子供がいる家庭(43%)とペットを飼っている家庭(46%)です。 その理由として多く挙げられているのが以下の3点です。
滑り防止による安全性の向上
赤ちゃんやペットが転倒しにくくなるため、安心して暮らせる。
汚れ・傷への耐久性
ジュースのこぼしや爪のひっかき傷など、日常のダメージを防げる。
掃除のしやすさ
表面がコーティングされているため、汚れが染み込みにくく拭き取りが簡単。
特に犬や猫を飼っている家庭では、「滑って股関節を痛めるリスクを減らすため」に施工を決断するケースが多く見られます。
割合から見える「やる人・やらない人」の特徴
では、施工する人としない人では、どのような違いがあるのでしょうか。ここでは「どんな人がやるのか」「なぜやらないのか」を比較してみます。
子供やペットがいる家庭で人気が高いワケ

フロアコーティングを施工する家庭の多くは、「長く快適に住みたい」「子供やペットを安全に育てたい」という意識が強い傾向にあります。とくに新築住宅では床がピカピカの状態のため、今の美しさを保ちたいという想いから導入を検討する方が増えています。
人気の中心は、次のような家庭です。
小さな子供がいて、転倒や汚れに敏感な家庭
赤ちゃんや幼児は床で遊ぶ時間が長く、食べこぼし・飲みこぼしも日常茶飯事。滑り止め効果のあるコーティングを施しておくことで、転倒事故のリスクを減らせるほか、ジュースや油などの汚れもサッと拭き取れるため、衛生的な環境を維持できます。
室内飼いの犬・猫がいる家庭
ペットの爪による傷や、滑って関節を痛めるトラブルを防ぐ目的で施工するケースが多いです。特に小型犬は関節疾患のリスクが高く、獣医師の中には「滑りにくい床材を選ぶことが予防につながる」と推奨する声もあります。また、消臭効果のあるコーティング剤を選ぶ家庭も増えており、ペットとの共生を快適にするための一手となっています。
「資産として家をきれいに保ちたい」人
新築時に床を保護しておくことで、10年後・20年後の見た目が大きく変わります。フローリングの傷や日焼けを防げば、中古売却時の印象も良く、結果的に住宅資産価値を維持できるというメリットがあります。
ワックスがけなどの手間を減らしたい共働き家庭
共働き世帯では掃除やメンテナンスに割ける時間が限られており、「一度施工しておけば20年以上ノーメンテナンス」という点が大きな魅力になっています。忙しい日々の中で“家事の負担を減らす投資”として選ばれることも多いです。
このように、フロアコーティングは単なる見た目の問題ではなく、家族の安全・清潔・快適さを長期的に守るための先行投資と考える人が増えています。短期的な費用負担よりも、「将来のメンテナンスコストやリスクを減らす」という長期的視点で判断する人が多いのが特徴です。
マンションと戸建てで異なる施工率
(出典:グッドライフ「施工実績統計2024」、ナノグラスコート「新築施工アンケート2023」、リクルートSUUMO「注文住宅トレンド調査2023」より算出)
この約10ポイントの差は、施工のしやすさ・判断タイミング・生活スタイルの違いによるものです。
マンションでは、以下のような理由から施工しやすい環境が整っています。
・入居前に一括施工しやすい:家具搬入前にまとめて工事が可能。
・デベロッパーや管理会社の提携業者を利用できる:紹介やオプションプランが多い。
・床材がほぼ統一されている:見積もりが出しやすく、価格も明確。
・一度の施工で全フロア対応が可能:共働き世帯にとって効率的。
その結果、マンションでは「引き渡し時に一緒に施工する」という流れが定着しつつあります。
戸建ての場合は、マンションに比べて個別対応が必要になるため、施工を見送るケースもあります。
・自分で業者を探す必要がある:提携制度が少なく、比較検討が手間。
・施工範囲が広く、費用が高くなりやすい:1階・2階を分けて施工するケースも。
・短期居住やワックスで十分と考える人も多い。
・引き渡し後に家具搬入を優先し、施工タイミングを逃すケースも。
ただし、戸建てでも子育て世帯・ペット家庭では施工率が上昇傾向にあります。
また、グッドライフ社の統計では、2022年→2024年で戸建て施工率が約3%増加で、「滑り止め」「傷防止」「掃除のしやすさ」を重視する層に人気が拡大しています。
地域や物件価格による違い
フロアコーティングの施工率は、住んでいる地域や住宅価格帯によっても大きく異なります。これは、気候・生活習慣・資産意識といった要因が関係しているためです。
地域別の施工率(%)
全国平均(29%)を破線で表示。地方都市・郊外はレンジ(18〜22%)の中点として20%で可視化しています。
- 首都圏(38%):供給が多く提携オプションで選ばれやすい/都市部は「長期居住+資産価値維持」を重視
- 関西圏(30%):分譲マンションの一括施工が一般的で、施工業者も多い
- 地方都市・郊外(20%):新築戸建て中心・DIYやワックスの代替が多い/「コスト優先」「短期居住」志向
物件価格による施工率の違い
物件価格と施工率には明確な相関関係があります。
- 4,000万円以上(約40%):「住宅を資産として守る」意識が高く、入居前にフロアコーティングを初期投資として導入するケースが多い。
- 3,000万円未満(20%以下):コスト優先傾向が強く、「必要性を感じたら後から考える」という判断が主流。
- 中古・リノベ(約15%):既存床の使用歴により、施工より張り替えを選ぶケースが多い。
まとめ:地域と価格が「施工意識」に影響する
・都市部ほど施工率が高く、地方では費用対効果を重視する傾向。
・住宅価格が高いほど、“資産を守るための先行投資” として導入される割合が増加。
・一方、低〜中価格帯の住宅では「必要性を感じてから検討」が主流。
つまり、「どこに住むか」や「どんな家を建てるか」によって、フロアコーティングに対する意識や導入率は大きく変わります。
実際の体験談からわかるメリットと後悔

データだけでなく、実際に施工した人・しなかった人の声も見てみましょう。
施工した人が実感する安心感と快適さ
(出典:グッドライフ株式会社 お客様の声)
(出典:ナノグラスコート 施工者レビュー)
実際に施工した人の多くが、「掃除が楽になった」「ペットが安心して走り回れる」と高く評価しています。とくに最近では、滑り止め効果と耐久性に優れたガラスコーティングやUVコーティングを選ぶ家庭が増加中です。 施工後のレビューでも、「床が輝きを保ったまま」「水拭きだけで十分きれいになる」など、 手入れの手間が大幅に減った実感が多く寄せられています。
施工しなかった人が抱える後悔やデメリット
(出典:e戸建て 掲示板『フロアコーティングの必要性について』スレッド)
(出典:マンションコミュニティ『フロアコーティングやればよかった?』掲示板)
このように、施工を見送った人の多くが「もっと早く知っておけば…」という後悔を抱えています。 特に、「コーティングは入居前にしか施工できない」という点を知らずにタイミングを逃すケースが多く、家具移動や養生が必要になることで、後施工は費用が1.5倍以上になることもあります。(参考:日本建材協会『床材メンテナンス実態調査2022』)
なぜ今フロアコーティングを検討すべきなのか

新築住宅の床は、最初が一番きれいな状態です。だからこそ、「入居前にコーティングをするかどうか」が将来の快適さを左右します。ここでは、今検討すべき理由を具体的に紹介します。
入居前にしかできない施工で将来のコストを削減
フロアコーティングは入居前のタイミングでしか施工できないケースがほとんど。家具が入ってしまうと、施工のために移動・養生が必要になり、追加費用が数万円発生します。さらに、長期的に見るとワックスよりもコスパが良いというデータもあります。
「ワックスは3年ごとに塗り直しが必要(費用約3万円×3回=9万円)」
「コーティングは1回で20年以上効果持続」
結果的に、10年後にはワックスより安く済むということも珍しくありません。
ワックスより長持ちし、メンテナンスの手間を軽減
ワックスは見た目がきれいでも、摩耗や汚れでムラが出やすく、数年ごとに塗り直しが必要です。一方、コーティングは耐久年数20〜30年と長寿命で、普段の掃除も水拭きだけで済むため、共働き家庭から特に人気です。
小さな子供やペットの安全を守るための先行投資

コーティングのもう一つの大きなメリットは滑り防止効果です。フローリングの「ツルツルした床」は意外にも転倒事故の原因になりやすく、厚生労働省によると、家庭内での子供の転倒事故は年間約8万件発生しています。(出典:厚生労働省「家庭内事故統計 2023」)
滑りにくい床は、子供やペットの安全を守る“目に見えない安心”として注目されています。
後悔しないための判断基準と業者選びのコツ

フロアコーティングは一度施工すると簡単にやり直せません。だからこそ、信頼できる業者選びと自分に合う施工プランの見極めが大切です。
自分のライフスタイルに合うかを判断するチェックリスト
フロアコーティングは、どんな家庭にも「絶対に必要」というわけではありません。しかし、ライフスタイルや住まいの使い方によっては、早めに導入することで大きなメリットを得られるケースも多くあります。
以下の項目に3つ以上当てはまる場合、フロアコーティングを検討する価値があります。
✅ 小さな子供またはペットがいる
→ 転倒防止や滑りにくさ、汚れへの強さを重視する家庭では特に効果的です。
赤ちゃんやペットの安全面を考えた“目に見えない安心”を得られます。
✅ 掃除やワックスがけの手間を減らしたい
→ コーティング後はワックス不要で、普段の掃除も水拭きだけ。
家事の時短にもつながり、忙しい共働き世帯や子育て家庭に人気です。
✅ 新築を長くきれいに保ちたい
→ 施工しておけば、日常生活による小傷や汚れがつきにくくなり、
数年後も新築時のツヤや質感を維持しやすくなります。
✅ 床の傷・汚れが気になる
→ ダイニングやリビングなど、日常的に人やペットが集まる場所ほど摩耗が進みやすいもの。
耐傷性・防汚性の高いコーティングなら、傷やシミのストレスを軽減できます。
✅ 中古売却時の資産価値を保ちたい
→ 床の状態は査定時に大きく影響します。
コーティングを施しておけば、将来のリフォーム費用を抑えつつ、資産としての印象アップ
にもつながります。
信頼できる業者を見分けるポイント

フロアコーティングは、一度施工すると簡単にやり直せないため、業者選びの信頼性が何より重要です。見た目の価格だけで判断せず、「実績」「保証」「透明性」の3点をしっかり確認しましょう。
以下のポイントに当てはまる業者であれば、安心して依頼できる可能性が高いです。
施工実績が年間1,000件以上ある
→ 多くの現場経験を持つ業者は、施工技術やノウハウが安定しています。
施工保証(10年以上)を明示している
→ 万が一のトラブルに備えた保証内容を、契約前にしっかり確認しましょう。
公式サイトに料金・施工写真を掲載している
→ 実際の施工例や費用が公開されている業者は、対応や品質に自信がある証拠です。
ショールームやサンプル見学ができる
→ 実際の仕上がりやコーティング剤の質感を体験できると、イメージのズレを防げます。
ネット上の口コミ・評価が安定している
→ 特定の地域で評判がよく、評価内容に具体性がある業者は信頼性が高い傾向にあります。
業者によって、使用するコーティング剤の種類や保証内容、施工方法が異なります。そのため、必ず3社以上から見積もりを取り、費用・保証・対応を比較することが後悔しない選び方の基本です。
見積もり依頼前に準備しておくこと

見積もりを依頼する前に、以下を用意しておくとスムーズです。
・図面または床面積が分かる書類
・フローリングの材質情報(メーカー・型番)
・入居日または引き渡し日
・希望するコーティング種類(ガラス・UV・シリコンなど)
これらを準備することで、業者とのやりとりがスムーズになり、無駄な追加費用を防げます。
まとめ|「する割合」よりもライフスタイルに合わせた選択を

新築住宅でフロアコーティングを施工する人の割合はおよそ3割。中でも、子育て世帯やペットと暮らす家庭では半数近くが導入しています。
しかし、最も大切なのは「周りがやっているか」ではなく、自分たちの暮らし方や将来の住まい方に合っているかどうかという視点です。
フロアコーティングは、単なる見た目の美しさを保つためのものではなく、 家族の安全や快適さを長く維持するための“住まいの備え”でもあります。
もし「10年後も床をきれいなまま保ちたい」「子どもやペットに安全な環境を用意したい」と思うなら、入居前の今こそが最適なタイミングです。
まずは、気になる業者に無料見積もりを依頼してみましょう。比較することで、自分の家に最も合った施工方法と価格帯が見えてきます。 小さな一歩が、これからの快適な暮らしを支える大きな安心につながります。
著者情報

小澤賀宣
株式会社NKサービス
代表取締役
| 専門分野 | フロアコーティング・住宅オプション |
|---|---|
| プロフィール | 2000年22歳で住宅設備会社に入社し、その後、27歳で個人事業主として独立。フロアコーティングをはじめ、住宅の付加価値を高めるオプション施工を専門に20年以上職人として活動中。フロアコーティングにおいては、品質と技術へこだわり、お客様一人ひとりのニーズに応じた提案を行っている。 |
| 保有資格 | ・有機溶剤作業主任者 ・日本ハウスコーティング協会 コーティングマイスター |
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