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COLUMNフロアコーティングはホルムアルデヒドを発生させる?赤ちゃんやペットへの影響は?安全性を基準から解説

2026.05.05

📝 著者 小澤賀宣(株式会社NKサービス 代表取締役)
🎯 専門分野 フロアコーティング・住宅オプション
🛠 経歴 フロアコーティング職人として20年以上の現場経験
🏆 保有資格 有機溶剤作業主任者・日本ハウスコーティング協会 コーティングマイスター
🗓 最終更新日 2026年05月05日
💡 この記事の答え F☆☆☆☆等級のフロアコーティングを選べば、ホルムアルデヒドの室内放散は基準内に抑えられます。建築基準法で安全管理されており、赤ちゃんやペットがいても安心して使用できます。

※ 詳細プロフィールは記事末尾の著者情報をご確認ください

フロアコーティングはホルムアルデヒドを発生させる?赤ちゃんやペットへの影響は?安全性を基準から解説

「フロアコーティングって化学物質が心配…」
「赤ちゃんがハイハイするけど大丈夫?」

住まいの安全性を考えるうえで、ホルムアルデヒドという言葉を耳にする方は多いでしょう。本記事では、フロアコーティングとホルムアルデヒドの関係はあるのですか?を、公的機関の基準や法制度を踏まえて冷静に整理します。

ホルムアルデヒドとは?なぜ問題視されるのか

 

「ホルムアルデヒド」という言葉を聞くと、なんとなく“体に悪そう”“シックハウスの原因”というイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。特に赤ちゃんやペットがいる家庭では、床や建材から化学物質が出るのではないかと不安になることもあるでしょう。

 

実際、ホルムアルデヒドはかつてシックハウス症候群の原因物質の一つとして社会問題になりました。しかし現在は、建築基準法の改正や室内濃度指針の設定などにより、住宅環境の安全性は大きく向上しています。

 

ここではまず、ホルムアルデヒドとはどのような物質なのか、なぜ問題視されてきたのか、および現在はどのように管理されているのかを、公的な基準を踏まえながら整理していきます。

 

ホルムアルデヒドの基本的な性質

 

ホルムアルデヒドは、無色で刺激臭を持つ揮発性有機化合物(VOC)の一種で、常温では気体として存在します。水に溶けやすく、水溶液は「ホルマリン」として知られています。

 

主な用途は以下のとおりです。

 

  • 合板・パーティクルボードなどの接着剤(ユリア樹脂系)
  • 建材用接着剤
  • 防腐剤・消毒剤
  • 一部の塗料・樹脂製品

 

1990年代後半から問題視されたのは、これらの建材や接着剤から室内空気中へ放散されるケースでした。

 

POINT

厚生労働省は、室内空気中のホルムアルデヒド濃度について0.08ppm(100μg/m³)という指針値を定めています。

「ホルムアルデヒドの室内濃度指針値は0.08ppm(100μg/m³)とする。」
(▷出典:厚生労働省「室内空気中化学物質の指針値一覧」)

 

この指針値は、動物実験や疫学調査などの科学的知見に基づき、長期間にわたり曝露した場合でも健康影響が生じにくい濃度として設定されています。つまり重要なのは、「存在するかどうか」ではなく、「どの濃度で存在するか」という点です。

 

また、国際がん研究機関(IARC)はホルムアルデヒドを「グループ1(ヒトに対して発がん性がある)」に分類していますが、国立がん研究センターによれば、これはリスクの大きさそのものを示すものではありません。

 

国立がん研究センターは次のように説明しています。

 

▼「IARCの発がん性分類は、発がん性の証拠の強さを示すものであり、リスクの大きさを示すものではありません。」

(▷出典:国立がん研究センター がん情報サービス

 

ホルムアルデヒドの発がん性評価は、主に高濃度・長期間曝露される職業環境(例:解剖・病理作業、化学工場など)の疫学研究に基づいています。

 

そのため、建築基準法や厚生労働省の室内濃度指針値に基づき管理された一般住宅環境とは、前提条件が大きく異なります。

 

 

シックハウス症候群との関係

 

1990年代後半から2000年代初頭にかけて、日本では「シックハウス症候群」が社会問題となりました。この問題を受け、2003年(平成15年)に建築基準法が改正されました。

 

主な改正内容:

  1. 1.ホルムアルデヒド発散建材の使用制限
  2. 2.24時間機械換気設備の設置義務化

 

特に重要なのが「F☆☆☆☆(フォースター)」制度です。現在の新築住宅では、この最上位等級の建材が主流であり、制度上はシックハウス問題が起こりにくい設計になっています。

 

▷国土交通省|建築基準法に基づくホルムアルデヒド対策

 

特に重要なのが「F☆☆☆☆(フォースター)」制度です。発散量に応じて建材は以下の区分に分けられます。

 

・F☆☆☆☆:使用面積制限なし(最上位)
・F☆☆☆:制限あり
・F☆☆:より厳しい制限
・F☆:原則使用不可

 

現在の新築住宅では、F☆☆☆☆等級の建材が主流であり、制度上はシックハウス問題が起こりにくい設計になっています。つまり、2003年以前の住宅と現在の住宅では、前提となる安全基準が大きく異なります。

 

 

子ども・赤ちゃん・妊婦が注意すべき理由

 

乳幼児や妊婦が特に話題に挙がるのには、医学的な理由があります。

 

  • 乳幼児:体重あたりの呼吸量が成人より多い、床に近い位置で生活、代謝機能が未成熟
  • 妊婦:嗅覚が敏感になりやすい、胎児への影響を懸念する心理的要因

 

厚生労働省の資料でも、乳幼児は化学物質の影響を受けやすい可能性があるため、指針値設定において安全側に配慮されていることが示されています。

▷厚生労働省「室内空気汚染に関する検討会報告書

 

ただし、現行の建築基準法と厚労省指針値に適合した住宅環境では、通常生活において健康影響が生じにくい水準に管理されているため、過度に不安視する必要はないと考えられています。

 

 

フロアコーティングとホルムアルデヒドの関係はあるのですか?

 

フロアコーティングを検討する際、「施工後に化学物質が出るのでは?」「赤ちゃんやペットに影響はないの?」と不安に感じる方は少なくありません。特にホルムアルデヒドは、シックハウス症候群の原因物質の一つとして知られているため、慎重に確認したいポイントです。

 

一方で、現在の住宅は建築基準法や厚生労働省の室内濃度指針によって厳しく管理されています。重要なのは、「含まれているかどうか」ではなく、「どの程度の濃度で放散される可能性があるか」という視点です。

 

ここでは、フロアコーティング剤そのものの性質と、床材由来の影響との違いを分けて整理します。

 

フロアコーティング剤にホルムアルデヒドは含まれる?

 

現在主流のガラスコーティングやUVコーティングにおいて、ホルムアルデヒドを意図的に主成分として含有する設計は主流ではありません。製品選びにおいては、以下の客観的資料を確認することが合理的な判断基準になります。

 

  • F☆☆☆☆相当か
  • 第三者機関によるVOC試験データがあるか
  • 安全データシート(SDS)が提示されるか

 

(出典:国土交通省「建築基準法に基づくホルムアルデヒド対策」

建築基準法に基づくシックハウス対策について – 国土交通省

 

また、厚生労働省は室内濃度指針値を0.08ppmと定めています。

 

「ホルムアルデヒドの室内濃度指針値は0.08ppm(100μg/m³)」

(出典:厚生労働省「室内空気中化学物質の指針値一覧」

室内空気中化学物質の室内濃度指針値及び標準的測定方法について

 

 

施工後に放散(揮発)する可能性はあるのか

 

塗料や樹脂系製品は、施工直後に揮発成分が一時的に空気中へ放散されることがあります。これはホルムアルデヒドに限らず、多くの塗料に共通する現象です。

 

厚生労働省の室内空気対策でも、「換気」が重要な対策として挙げられています。

(出典:国土交通省

https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/jutakukentiku_house_tk_000043.html

 

多くの高品質コーティング剤は、完全硬化後の放散量が指針値以下となる設計がなされていますが、施工直後は念のため十分な換気を行うことが推奨されます。

 

つまり、問題になるのは「施工直後の一時的な揮発管理」であり、適切な換気が前提となります。

 

 

床材(フローリング)由来の影響との違い

 

塗料や樹脂系製品は、施工直後に揮発成分が一時的に空気中へ放散されることがあります。これはホルムアルデヒドに限らず、多くの塗料に共通する現象です。厚生労働省の室内空気対策でも、「換気」が重要な対策として挙げられています。

 

「建築基準法により、原則すべての建築物に機械換気設備の設置が義務付けられている。」

(出典:国土交通省

https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/jutakukentiku_house_tk_000043.html

 

多くの高品質コーティング剤は、完全硬化後の放散量が指針値以下となる設計がなされていますが、施工直後は念のため十分な換気を行うことが推奨されます。

 

つまり、問題になるのは「施工直後の一時的な揮発管理」であり、適切な換気が前提となります。

 

F☆☆☆☆(フォースター)とは何ですか?

 

「F☆☆☆☆(フォースター)」という表示を、建材やカタログで見かけたことがある方も多いのではないでしょうか。ホルムアルデヒド対策を語るうえで欠かせない制度ですが、その意味を正確に理解している方は意外と少ないものです。

 

ここでは、F☆☆☆☆の制度的な位置づけと、フロアコーティングとの関係を整理します。

 

F☆☆☆☆表示の意味と基準

 

F☆☆☆☆は、2003年(平成15年)の建築基準法改正により導入された、ホルムアルデヒド発散等級の最上位区分です。国土交通省の資料では、建築材料からのホルムアルデヒド発散量に応じて区分が設けられており、発散量が少ないものほど星の数が多くなります。

 

「ホルムアルデヒドの発散量に応じて建築材料を区分し、使用面積を制限する制度を導入している。」

(▷出典:国土交通省「建築基準法に基づくホルムアルデヒド対策 )

 

その中で、

 

・F☆☆☆☆:発散量が最も少なく、使用面積制限なし
・F☆☆☆以下:使用面積に制限あり

 

という位置づけになります。

 

つまり、F☆☆☆☆は「現行法の中で最も発散量が低い区分」であり、住宅で広く使用可能な等級という意味です。ただし、この制度は発散量を一定基準以下に抑える仕組みであり、「完全にゼロ」を意味するものではありません。

 

 

建材とフロアコーティング剤の扱いの違い

 

☆☆☆☆制度は、本来「建築材料(建材)」を対象とした制度です。具体的には、合板・内装材・接着剤などが主な対象です。フロアコーティング剤は、法律上の分類では必ずしも「建材」と同一の扱いにならない場合があります。

 

そのため、製品によっては

・F☆☆☆☆相当
・F☆☆☆☆基準クリア
・VOC試験クリア

 

といった表現が使われることがあります。

 

この場合、重要なのは

・第三者機関による試験結果があるか
・ホルムアルデヒド放散量の測定データがあるか
・安全データシート(SDS)が提示されているか

 

といった客観的資料の確認です。

 

制度上の対象範囲を理解したうえで、数値データで判断することが重要になります。

 

 

F☆☆☆☆なら完全に安全と言えるのか

 

F☆☆☆☆は厳しい基準に基づいた区分ですが、「完全に安全」や「完全にゼロ」という意味ではありません。厚生労働省は、室内空気中のホルムアルデヒド濃度指針値を0.08ppmと定めています。

「ホルムアルデヒドの室内濃度指針値は0.08ppm(100μg/m³)」
(▷出典:厚生労働省「室内空気中化学物質の指針値一覧」)

ここで重要なのは、室内環境は単一の建材だけで構成されているわけではないという点です。

 

影響を左右するのは、

・室内全体の建材総量
・換気設備の稼働状況
・施工直後かどうか
・個人の体質差

といった複合要因です。

 

建築基準法では24時間換気設備の設置が義務化されていますが、これは「総量管理」を前提とした制度設計です。つまり、F☆☆☆☆は「現行制度の中で安全側に配慮された区分」ではありますが、住宅環境の安全性は 材料+換気+使用状況 の総合管理によって成り立っています。

 

POINT

住宅環境の安全性は 材料 + 換気 + 使用状況 の総合管理によって成り立っています。F☆☆☆☆は「現行制度の中で安全側に配慮された区分」ですが、換気設備の稼働なども含めた全体での考慮が必要です。

 

 

施工後の生活への影響と注意点

 

フロアコーティングの安全性を考えるうえで、多くの方が気にするのが「施工直後の生活」です。特に赤ちゃんやペットがいる家庭では、入室のタイミングや匂いの残り方が気になるポイントでしょう。

ここでは、施工後の一般的な注意点を整理します。

 

施工後すぐ入居・生活しても問題ない?

 

多くのフロアコーティング剤は、完全硬化後であれば通常生活が可能とされています。ただし、これは製品ごとに定められた乾燥・硬化時間を守った場合が前提です。

 

一般的な目安は以下の通りです。

・歩行可能:数時間後
・家具の設置:24時間前後
・完全硬化:24〜72時間程度(製品による)

 

UVコーティングのように紫外線照射で瞬時硬化するタイプもありますが、それでも「表面硬化」と「完全硬化」は異なる場合があります。

 

重要なのは、

・施工会社が提示する入室可能時間を守ること
・乾燥中に過度な接触を避けること

 

です。

 

特に施工当日は、小さなお子さまやペットは別室で待機させる配慮が望ましいとされています。

 

匂いはどれくらいで消える?

 

施工直後は、製品の種類によっては一時的に匂いを感じることがあります。

 

一般的な傾向として、

・溶剤型:数日(3日程度)で軽減するケースが多い
・水性タイプ:比較的短時間で匂いが弱まる傾向

 

とされています。

 

ただし、感じ方には個人差があります。嗅覚が敏感な方や妊娠中の方は、より強く感じることもあります。多くの場合、数日以内に自然に軽減していきますが、強い刺激臭が長期間続く場合は施工会社へ確認するのが安心です。

 

換気はどの程度必要?

 

建築基準法では、住宅に24時間換気設備の設置が義務付けられています。

 

施工後は特に、

・24時間換気を常時運転
・可能であれば窓開け換気を併用

 

することが推奨されます。

 

目安としては、施工当日

・少なくとも翌日まで
・匂いが気にならなくなるまで
・継続的に換気を行うと安心です。

 

換気は、ホルムアルデヒドに限らず、あらゆる揮発性成分の濃度を下げる基本的な対策です。

 

 

床に直接触れる生活(ハイハイ等)への配慮

 

赤ちゃんがハイハイをする時期は、床との接触時間が長くなります。そのため、完全硬化が確認できるまでは直接触れさせないことが推奨されます。

 

施工会社に確認すべきポイントは、

 

・完全硬化までの時間
・水拭き開始可能な時期
・安全データシート(SDS)の有無

 

です。

 

多くの製品は、完全硬化後であれば通常生活に支障が出にくい設計ですが、不安がある場合は

 

・施工当日は外出する
・数日は十分に換気する

 

といった配慮を行うことで、心理的にも安心感が高まります。

 

 

 

フロアコーティングと他の床対策とホルムアルデヒドの比較

 

ホルムアルデヒドの観点から安全性を考える場合、フロアコーティング単体だけでなく、「他の床対策」との比較も重要です。住宅の室内空気環境は、単一の材料ではなく、床材・壁材・家具・接着剤などの総量によって決まります。厚生労働省が示す室内濃度指針値(0.08ppm)は、こうした“総量管理”を前提に設定されています。そのため、「コーティングをするかどうか」だけでなく、他の選択肢との違いを理解することが大切です。

 

ワックス仕上げとの違い

 

市販の床用ワックスの中には、揮発性有機化合物(VOC)を含む製品があります。特に溶剤型ワックスは、塗布直後に揮発成分が空気中に放散されることがあります。

 

ワックスは一般的に、

・3~6か月ごとの塗り直し
・定期的な剥離作業

 

が必要とされるため、その都度、揮発が発生する可能性があります。一方、フロアコーティングは基本的に一度の施工で長期間持続する設計が多く、塗り直し頻度は低い傾向にあります。

 

そのため、揮発機会という観点では、

・ワックス:複数回の施工機会
・コーティング:施工回数は少ない

 

という違いが生じる場合があります。ただし、製品ごとに成分や設計は異なるため、VOC試験データや安全資料の確認が重要です。

 

 

何もしない場合との比較

 

「何もしなければ化学物質は出ないのでは?」と考える方もいますが、実際には既存のフローリング自体からの放散が影響することがあります。

 

特に、合板や接着剤を使用した複合フローリングでは、製造過程で使用される樹脂接着剤がホルムアルデヒドの発生源となることがありました。

 

現在は建築基準法によりF☆☆☆☆等級の建材が主流ですが、

 

・築年数が古い住宅
・海外製建材を使用した住宅

 

などでは状況が異なる可能性もあります。つまり、「施工しない=放散ゼロ」ではなく、もともとの床材由来の影響も考慮する必要があります。

 

 

無垢フローリングの場合の注意点

 

無垢フローリングは単一の木材で構成されるため、合板に比べて接着剤の使用量が少ない傾向にあります。そのため、ホルムアルデヒド発散リスクは比較的低いとされるケースが多いです。

 

ただし注意点もあります。

 

無垢材でも、

・塗装仕上げに使用される塗料
・現場で使用する接着剤
・下地材

 

によってはVOCが含まれることがあります。また、無垢材は自然素材であるため、経年変化やメンテナンスの頻度が高くなる場合もあります。

 

つまり、

 

・無垢=完全に安全
・合板=危険

 

という単純な図式ではなく、使用される仕上げ材や施工方法まで含めて判断することが重要です。

 

 

安心してフロアコーティングを選ぶためのチェックポイント

 

ホルムアルデヒドやVOCへの不安を減らすためには、「施工するかどうか」以上に「どの製品を、どの会社が施工するか」が重要です。現在は法規制や室内濃度指針が整備されていますが、最終的な安心感は、施工会社の説明の透明性と資料提示の有無によって大きく変わります。

 

ここでは、事前に確認しておきたい具体的なポイントを整理します。

 

施工会社に確認すべき項目

 

まず大切なのは、使用している製品の安全性について客観的な裏付けがあるかどうかです。すべての情報が公開されている必要はありませんが、以下の点については確認しておくと安心です。

 

・第三者機関による試験をクリアしているか
・安全データシート(SDS)の有無
・所属団体や認定制度の有無
・施工後の換気・入室制限時間の具体的な説明

 

SDS(安全データシート)は、成分の性質や危険有害性、取り扱い上の注意点などがまとめられた公式文書です。企業秘密の観点からメーカー名が非公開の場合でも、第三者機関の試験結果や安全基準への適合状況を明示できるかどうかが重要な判断材料になります。

 

たとえば、日本ハウスコーティング協会に加盟している施工会社では、一定の基準を満たした製品や施工体制が求められています。このような団体基準や試験クリアの実績は、安全性を確認するうえでの一つの目安になります。

 

また、「大丈夫です」「問題ありません」といった抽象的な説明ではなく、

 

・何時間後から入室可能か
・赤ちゃんやペットはいつから床に触れてよいか
・換気はどの程度必要か

 

といった具体的な説明があるかどうかも大切です。

 

製品の詳細すべてが公開されていなくても、安全性の根拠を説明できる体制が整っているかどうかが、信頼できる施工会社を見極めるポイントになります。

 

成分・試験データ・証明書の有無

 

安心材料となるのが、第三者機関による試験データの有無です。

 

確認したいポイントは以下です。

・ホルムアルデヒド放散試験の結果
・VOC試験データ
・F☆☆☆☆相当または同等基準の証明

 

建築基準法に基づくF☆☆☆☆制度は主に建材を対象としていますが、コーティング剤についても「F☆☆☆☆相当」や「VOC基準クリア」といった形で試験を受けている製品があります。

 

重要なのは、

・数値が示されているか
・試験機関名が明記されているか
・文書として確認できるか

 

という点です。

 

数値データが提示されていれば、感覚的な説明よりも客観的に判断しやすくなります。

 

小さな子どもがいる家庭が特に注意すべき点

赤ちゃんや小さなお子さまがいる家庭では、より慎重な管理が安心につながります。

特に意識したいのは次の点です。

 

・施工当日は別室待機または外出
・完全硬化時間の明確な確認
・換気を十分に行う
・床に直接触れるタイミングを守る

 

乳幼児は床との接触時間が長く、嗅覚も敏感です。そのため、完全硬化が確認できるまでは直接触れさせない配慮が望ましいとされています。また、妊娠中の方がいる場合は、施工当日は外出するなどの対応をとる家庭もあります。過度に不安になる必要はありませんが、「念のため」の管理を行うことで、心理的な安心感も大きくなります。

 

 

フロアコーティングの安全性に関するよくある質問(FAQ)



フロアコーティングはホルムアルデヒドを発生させますか?


現在主流の製品では主成分とされることはありませんが、放散量が指針値以下であることの確認が重要です。

現在主流のフロアコーティング剤は、ガラス系・UV系・シリコン系などの樹脂を主成分とするものが一般的で、ホルムアルデヒドを主成分とする設計は一般的ではありません。ただし、原料や添加剤の中に微量成分として含まれる可能性を完全に否定することはできません。重要なのは、施工後の放散量が厚生労働省の室内濃度指針値(0.08ppm)を超えない設計かどうかです。製品選びの際は、第三者機関による試験データやSDS의 有無を確認することが安心材料になります。


F☆☆☆☆であれば完全に安全ですか?


F☆☆☆☆は最上位の区分ですが、「完全にゼロ」や「絶対安全」を意味するものではありません。

F☆☆☆☆はあくまで「基準値以下」であることを示す制度です。室内環境は床材・壁材・家具などの総量と換気状況によって決まります。そのため、F☆☆☆☆であっても、
・施工直後の換気
・室内全体の材料構成
を総合的に考えることが大切です。


子どもや赤ちゃんが床に触れても大丈夫ですか?


完全硬化後であれば通常の使用に問題はありませんが、硬化時間を守り換気を十分に行うことが前提です。

多くの製品は、完全硬化後であれば通常の生活使用に問題が出にくい設計とされています。ただし、
・完全硬化までの時間を守る
・施工直後は十分に換気する
ことが前提です。赤ちゃんは床に近い位置で長時間過ごすため、施工会社に「完全硬化までの具体的時間」を確認し、それまでは直接触れさせない配慮をするとより安心です。体質差やアレルギー傾向がある場合は、特に慎重な対応が望ましいでしょう。


妊娠中でもフロアコーティング施工は問題ありませんか?


一般的に直ちに問題になるケースは少ないですが、嗅覚の変化等に配慮し無理のない計画を立てましょう。

一般的には施工自体が直ちに問題になるケースは多くありませんが、妊娠中は嗅覚が敏感になる方もいます。そのため、
・施工当日は外出する
・換気が十分に行われるまで別室で過ごす
といった配慮を行う家庭もあります。不安がある場合は、施工前に使用製品の安全データや硬化時間を確認し、無理のないスケジュールを組むことが大切です。


匂いが残ることはありますか?


製品の種類により一時的に匂うことがありますが、通常は換気によって数日で軽減します。

施工方法や製品の種類によっては、一時的に匂いを感じることがあります。特に溶剤型の場合は数日程度、水性タイプの場合は比較的短時間で軽減する傾向があります。ただし、感じ方には個人差があります。通常は換気を続けることで徐々に軽減していきますが、強い刺激臭が長期間続く場合は施工会社へ確認することが推奨されます。

 

 

まとめ

 

フロアコーティングとホルムアルデヒドの関係はあるのですか?は、感情的なイメージだけで語られがちですが、実際には次の3点が重要です。

 

・現行の法制度や建築基準法により、ホルムアルデヒド発散は厳しく管理されている
・問題の本質は「物質の有無」ではなく「濃度」と「換気環境」
・フロアコーティングだけでなく、床材や家具など建材全体の影響も考慮すべき

 

厚生労働省の室内濃度指針値や、F☆☆☆☆制度などの仕組みが整備された現在の住宅環境では、過去のシックハウス問題当時とは状況が大きく異なっています。もちろん、製品の種類や施工方法、体質差による感じ方の違いはあります。

 

しかし、

・第三者機関の試験データがあるか
・基準に適合した製品か
・施工後の換気・入室制限が明確か

 

といった客観的情報を確認することで、不安の多くは整理できます。

 

大切なのは、「なんとなく怖い」という印象で判断するのではなく、根拠のある情報をもとに冷静に比較することです。赤ちゃんやペットがいるご家庭だからこそ、安全性を基準に、納得できる選択をしていきましょう。

 






著者情報

小澤賀宣

株式会社NKサービス
代表取締役

専門分野 フロアコーティング・住宅オプション
プロフィール 2000年22歳で住宅設備会社に入社し、その後、27歳で個人事業主として独立。フロアコーティングをはじめ、住宅の付加価値を高めるオプション施工を専門に20年以上職人として活動中。フロアコーティングにおいては、品質と技術へこだわり、お客様一人ひとりのニーズに応じた提案を行っている。
保有資格 ・有機溶剤作業主任者
・日本ハウスコーティング協会 コーティングマイスター

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